喉を開く声と喉声は別物!喉の開き方と練習方法を解説
2020.04.06
- 歌うときは喉を開いたほうがいいの?
- 喉を開くって言われてもよくわからない…
- 喉を開くにはどんな練習をすればいいの?
本記事では、このような「喉を開く」についての疑問にお答えします。
「喉を開く声」と「喉を締めて出す声」は、聴こえ方が全く異なります。のびやかに気持ちよく歌いたいなら、喉を開いて歌うことが大切です。
しかし、喉を開くといっても、いまひとつイメージが湧かない方が多いことでしょう。また、喉を意識的に開こうとすることで基礎が崩れてしまう場合もあるため、自然に喉を開くことがポイントです。
ここでは喉を開く歌い方の特徴や身につけ方を解説しますので、のびやかな響きのある声を目指したい方は一緒に練習していきましょう。
喉を開く歌い方とは?
喉を開く歌い方とは、喉の空間が広がっている状態で歌うことです。喉を広げるといっても、やってみるとなかなか難しいですよね。実感しやすくなるコツとして、上の前歯が4~6本ほど見えるように口を開いてみてください。上顎を開くことで喉も開きやすくなります。
日常生活だと、「笑う」「びっくりする」「あくび」「食べる」といった動作は、自然と喉が広がっています。寒いときに息で手を温めるように、手に「ハァ〜」っと息をあてる動作は喉が開いた状態がわかりやすいのでおすすめです。
喉を開く感覚を掴むには、実感できるさまざまな方法がありますが、意識的に喉を開こうとすると身体に力が入ったり不自然な歌い方になったりするため、意識し過ぎず自然に喉を開けられるのが理想です。
喉を開くと歌にどんな効果がある?
喉を開くと、次の効果が期待できます。
- 声が太くなる
- のびやかな声を出せる
- 響きのある声を出せる
- 声のトーンが明るくなる
逆に、喉が開いていない状態で歌うと次のような問題が起こります。
- 高音がか細くて苦しそうになる
- 喉がダメージを受け声が枯れる
- 長時間歌えない
- 声が響かない
- 声が通らない
- 息が長く続かない
喉が開いていない状態では、聴き苦しい歌になるばかりか喉を痛めて歌えなくなる可能性があるため、喉を開く声の出し方を身につけたいですね。プロの歌手は表現の一環であえて苦しそうに歌うこともありますが、基本的には喉を開いて歌うことをおすすめします。
まずは自分の歌い方を知っておこう
まずは、自分が喉を開いて歌えているかどうか確認しましょう。
喉声になっていないか確認する方法
喉声になっているときは、喉仏が上がっています。また、首や顎に力が入って喉を締めつけている状態になっていないか確認しましょう。録音して聞いてみて、不安定なか細い声になっている場合は喉が開いていない可能性が高いです。
喉が締まっていると声がこもりやすくなるため、暗い印象になるでしょう。自分の声が明るいか暗いかわからないときは、明るい曲を歌ってみてください。喉を開かずに歌うと、曲に対して声のトーンが低く感じるはずです。ただし、声のトーンが低くなる原因は喉を開かないことだけではないため、他のチェックポイントもあわせて判断しましょう。
カラオケで数曲歌っただけで声が枯れたり出にくくなったりする場合は、喉を締めて歌っている可能性が高いです。歌うときに、喉に余計な力が入っていると枯れやすくなります。
喉を開いているか確認する方法
歌う姿を鏡で見たときに、喉の奥が見えるか確認してみましょう。口蓋垂(こうすいがい / 別名・のどちんこ)が上がって喉の奥まで見えていれば、喉が開いています。
反対に、喉が締まっていると舌が邪魔するなどして喉の奥が見えくいでしょう。そもそも口の開きが小さい、あるいは、口を大きく開けていても喉の奥が見えない場合は、舌根が上がって喉を塞いでしまっていることが原因の一つとして考えられます。
喉を開く練習法
喉を開くことを無理に意識し過ぎると、歌い方が不自然になったり身体に力が入ったりします。そのため、喉を開いた声を実現するために必要な以下の3つの条件を満たすことを考えましょう。
正しい姿勢
喉に余計な力を入れないためには、自然に良い姿勢を保つ必要があります。腰と肩、首をまっすぐに保ちましょう。天井から一本の糸で吊られているイメージをすれば、身体に力を入れずに正しい姿勢を維持できます。
ただし、姿勢を意識し過ぎると体が硬くなってしまうので、リラックスをするのを忘れないようにしましょう。いちど背伸びをして、踵(かかと)をストーンと落とすとリラックスしやすい(硬くならない、いい姿勢になる)ので、やってみてください。
顎の使い方
歌うときに下顎を使う意識が強いと、舌が硬くなってしまい早口なフレーズが歌いにくくなります。どちらかというと、上顎を使って歌うイメージを持ちましょう。ただし、顔が上に向き過ぎる心配があるので、鏡を見て正面を見ている状態をキープする意識を持ってください。
「いないいないばあ」の「ばあ」のときは、上顎が上がりやすいです。赤ちゃんをあやす気持ちで「いないいないばあ」をやってみてください。
歌うときの意識
歌うときは、前にいる相手に聴かせるイメージを持つ方が多いでしょう。しかし、それでは「前へ、前へ」と強く意識してしまい、喉に力が入る可能性があります。そのため、歌うときの意識を頭の後ろ側に置くことが大切です。
「ええ!?」や「ああ!」など、びっくりしたときは頭の後ろ側に意識がいきやすいので、少し大げさに驚いた声を出してみてください。
喉を開く感覚がつかめない?その原因と解決法
喉を自然に開く感覚をつかめない方は、力強く歌おうとしていないかチェックしてみましょう。力強い声を出そうとし過ぎれば、身体に力が入ります。それでは安定したのびやかな力強い声ではなく、か細くて苦しそうな声になるでしょう。
喉を開くことを強く意識するのではなく、「正しい姿勢」「正しい顎の使い方」「頭の後ろ側に意識をおく」の3つを自然にできるようにすることが大切です。
先にも書きましたが、手に「ハァ〜」と息を当てると自然と喉を開いている状態なので、実際にやってみてその感覚をつかんでみてください。
おわりに:自然なフォームで喉を開いて歌おう
冒頭でお話ししたように、喉を開く声と喉声は全くの別物です。喉を開いて歌うことで高音を楽に出せるようになったり、喉への負担を抑えたりすることができます。喉を開くことを意識し過ぎて体が硬くなると不安定な音になるため、深呼吸をして脱力するなど、リラックスして歌うようにしましょう。繰り返し練習することで、自然に喉を開く感覚が身につきますよ。